ぽち

ニッケルオデオンのぽちのレビュー・感想・評価

ニッケルオデオン(1976年製作の映画)
2.9
柳の下に二匹目のドジョウはいなかった。って作品。
「ペーパー・ムーン」のヒットから3年後に監督とオニール父娘が揃い、またヒットを狙ったが大失敗と言う感じ。

三人とも3年間で一本の映画を挟んでいる。
監督は「デイジー・ミラー」、ライアンは「バリー・リンドン」、テイタムは「がんばれ!ベアーズ」。
これを見るとなぜ二匹目のドジョウを狙うような作品を作ってしまったのかなんとなく想像できてしまう。

ピーター監督がちょっとコケたので起死回生で二人に持ちかけたのでは?ってのは邪推かな。

さて、映画創成期の物語をスラップスティックとまではいかないが、畳み掛けるようなセリフ回しや、ストーリー運びで描いていて個性は感じるのだが、話自体が平坦で今一つ。

主役二人の男とヒロインの関係もスッキリしないドロドロ三角でコメディとしては重い。二時間越えの長さもあり、スマートさが無いのがマイナスだろう。

ただ、子役としての絶頂期のテイタムの輝きは素晴らしく、これだけに集中して観ると満足度は高い作品。


余談。
その昔、私の街には「シネサロン」と言う小さな小さな映画館があった。
30席ほどだが、シートは大きめでゆったりしていた。その席が縦長の部屋の中に左右に2席ずつ。4席一列で5~6列だったのでまるで電車のようだった。

うろ覚えだが、一時期は確か日本で一番小さな映画館だったと思う。

大きな映画館ではかかることのないマイナー作が多かったが、ある時ビートルズのリバイバルに乗じて「LET IT BE」が上映された。
二週間ほどだったが、毎日通って一日に二回から三回は観た。

当時は一回入ればいつまでいても良いというシステム。
子供映画祭りなどはお弁当持参で観に来る子供もいたぐらいだ。

映画創成期のニッケルオデオンと言う映画館の話を聞いて、ふと昔の映画館を思い出してしまった。
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