このレビューはネタバレを含みます
ジャン・レノとヴァンサン・カッセルのバディムービーと一言では言えない重厚感と緊張感。ハリウッドとは違うテンポと雰囲気で、サスペンス感が最後まで続く。
犯行はシリアルキラーを思わせるが、そう単純ではなさそう。宗教と歴史が関係してそうな展開で奥が深い???
フランスのアルプスの麓のゲルノン学園都でおこった奇妙な殺人と田舎町の荒らしが、ニーマンス(ジャン・レノ)とマックス(ヴァンサン・カッセル)を出会わせる。そしてゲルノン大学はナチス・ドイツ時代の優生学に基づいた子づくりが行われていた。
その犠牲者でもある双子のファニーとジュディエット(母の機転で切り指を落としたことで死んだことになっていた)が復讐と大学の闇を暴くために殺人を繰り返していたというオチなのだが…
暗い映像、雪に覆われた山麓の村、ファニーがニーマンスとマックスの協力者でもあり、死んだはずのジュディエットの指紋が出てきたり、猟奇的な殺人あり、ニーマンスの車が襲われギリギリまで追い詰められ、雪の中容疑者とマックスの迫力満点の追いかけっこ(これ秀逸!)あり、とにかく緊張感が途切れない。よく見なくても、ジャン・レノの顔も怖かったりする。
めちゃくちゃ怖い!わけではないが、こわーい雰囲気で覆われた良作と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、ベストセラーとなった原作とはエンディングが異なるようで、ニーマンスはより粗暴で有りラストでは、ファニー、ジュディエットと一緒に雪崩で亡くなるとのこと。マックスもキャラが全く異なるようです。
ラストかき消された、ニーマンスが犬嫌いの理由ですが………だそうです。聞こえなかった設定で正解かもしれません。
あ、ヴァンサン・カッセルの父ジャン=ピエール・カッセルも出てました。