彦次郎

妖星ゴラスの彦次郎のレビュー・感想・評価

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
3.5
巨大隕石の衝突を回避すべく地球人が一致団結するSFパニック映画。制作者側がゴジラやウルトラマン関係者な為か怪獣要素も有ります。まずタイトルの「妖星ゴラス」という安っぽくも謎めいたところが良いです。
同傾向の作品としては「アルマゲドン」、「ディープインパクト」になりますが今作の方が1962年とかなり先行しています。巨大隕石を壊すというルートでなく南極に基地を作って地球を動かして隕石を回避させるという発想が狂気と紙一重な天才ぶりといえましょう。
テレビ電話で呼び出して近所に行く感覚なノリで「南極に来い」というあたりが未来的ですが基本は昭和世界。
南極に巨大怪獣がいる事が既に驚天する話ですが妖星ゴラスが近づく事で巻き起こる大災厄の前では小事と化している点でスケールがかなり大きいです。
外は嵐巻き起こる終末模様のなか記憶を失った恋人を案じたり、壊滅後の光景を見ても前向きな発言をしたりと、先の世界大戦を乗り越えてきた人達が作った作品に感じられる強さが息づいているように思いました。
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