ゾロ

史上最大の作戦のゾロのレビュー・感想・評価

史上最大の作戦(1962年製作の映画)
3.5
BS自動録画分鑑賞

第二次世界大戦時の物語
1944.6.6 ノルマンディー上陸作戦

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ
関連国の動向が史実に忠実に描かれている様子

エンタメ向きでは無く事前の知識が必要

先ず、作戦決行前の状況が丁寧に描かれている

ドイツ側の思惑
いつ、どこに連合国側の反攻があるのか?
過去の作戦の経緯や経験から、荒天時に
ノルマンディーへの上陸作戦は無いと予想

連合国側の思惑
兵士達が逸る気持ちと延期への懸念から
上層部は、作戦決行を決断する

フランス国内のレジスタンスも描かれている



ドイツ
ロンメル元帥等、多くの士官が
北アフリカ、シチリア、イタリアと
連合国の過去の作戦から天候が良い日に
カレーに上陸すると考えていた

また、油断と独裁の歪みが至る所で感じられる
ノルマンディーの海岸を呑気に
巡回してたドイツ兵士を見て
卑下しているフランス人の年配男性

作戦途中で、負けを認識しているドイツ兵士

ヒトラーが就寝したからと
戦車出動の許可を得られない士官達

結果,敗戦の証人になると自虐ネタまで言う


フランス
レジスタンスやナチス占領下にいる
フランス国民が多く描かれている

線路の爆破によるインフラ破壊工作
暗号による蜂起や作戦開始 反攻に歓喜
兵士側は、自国への覚悟を持った砲撃
イギリス軍との合同落下傘作戦


アメリカ
現場の空挺部隊の葛藤や好戦的な意志
上官の会話には,政治的な思惑を感じる
大艦隊の一員である艦長は
『史上最大の作戦』と自負
師団ごとに個別で海岸への上陸作戦



イギリス
BBC放送による情報発信と鼓舞
現地の気象等情報収集
序盤でのグライダー作戦で重要拠点の確保
フランス軍との合同落下傘部隊
師団ごとの海岸上陸作戦
先行部隊との合流 バグパイプの演奏


壮大で、悲惨に思われる戦争の中
現場で起きた些細な出来事が印象的

落下傘が引っかかった事で命拾い
よそ見で、敵と気づかずすれ違う
大敗と認識しても命令に従うドイツ士官
敗戦を感じてナポレオンを呑むドイツ士官
現場の事を信じれない上官



そして,虚しさだけが残るラスト

怪我をして動けないイギリス兵士
迷子になったアメリカ空挺の兵士
左右靴を履き間違えたまま戦死したドイツ兵

『俺は怪我で動けない
 君は迷子
 彼は死んでいる

 戦争とは、そんなものらしい』
ゾロ

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