ぶみ

続・激突!/カージャックのぶみのレビュー・感想・評価

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)
3.5
撃たれてもいい…明日に向って突っ走れ!

スティーヴン・スピルバーグ監督、ゴールディ・ホーン主演による実話をベースとしたドラマ。
福祉局により里子に出された息子を奪還するため、パトカーを奪い、テキサス州シュガーランドに向かう夫婦の姿を描く。
久々の再鑑賞。
主人公となる夫婦をホーンとウィリアム・アザートン、パトカーをジャックされる巡査をマイケル・サックス、彼等を追う警部をベン・ジョンソンが演じており、主な登場人物は以上。
物語は、夫婦と巡査のパトカーによる奇妙な逃避行がロードムービーテイストで描かれていくが、それを追う警察もパトカーが何台も連なりついて行くという、今では考えられないグダグダぶりを見せており、何とも緩い当時の空気感を醸し出している。
同監督の『激突!』が映画の面白さを教えてくれたベストムービーである私としては、学生時代、そのタイトルから『激突!』のようなスリリングな作風を期待して観たところ、全く違う作品であったため、内容ではないところで、かなりガッカリしたのと、裏切られたような気分になった記憶あり。
ただ、あらためてフラットな気持ちで観てみると、事実上監督の劇場デビューとなる本作品は、ロードムービーをベースとして、カーアクションやコメディを盛り込みつつ、なおかつ夫婦の青春ドラマ的な展開も見せており、中々見どころ満載で、原題の直訳が『シュガーランド急行』となるのも納得。
私的には、その邦題から裏切られた感満載で、第一印象の悪い作品ではあったものの、単体で考えると、スピルバーグが撮影したアメリカン・ニューシネマ的な作風が貴重とも言える一作。

行き先はシュガーランドね。
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