さすがに笑いのツボを心得ているブレイク監督。50年以上経った今観ても十分に楽しめる良作コメディ。
戦死者が一人も出ないところと、ラストのポット少佐の屋根の上の台詞に反戦精神も見られる。
原作にブレイク監督の名があることを考えると、基本的な設定と大筋を作り、脚本家が仕上げたと言う感じだろうか。
感心するのが最初の20分ほどはまったくコメディ色が無いこと。村に入りサッカーボールが銃剣に刺さった所から一気に加速する。このコントラストが見事で、その後の笑いが一層引き立った。
逆に後半が少し冗長。捕虜入れ替えをもっとストレートにスピード感を持って描いてほしかったが、地下墓地を行ったり来たりのテンポの悪さがブレーキをかけてしまっている。
くどいギャグが多かったのも残念だ。
クルーゾー警部のような突出したキャラがやるのなら笑えるのだが、サブキャラ程度が押しの強いギャグをしてくると観ている方は引いてしまう。
全体で観ると実に良く出来たコメディで、レビューが少ないのも驚きだが、掘り出し物の一本と言うことで、あまり有名にならない方が個人的には愛着がわいて嬉しい。