彦次郎

デモリションマンの彦次郎のレビュー・感想・評価

デモリションマン(1993年製作の映画)
3.7
1996年ロサンゼルス。大犯罪者フェニックスを逮捕するも多数の人質死亡の責任を取らされ冷凍刑に処せられた刑事スパルタン。36年後に復活したフェニックスを捕らえるべくスパルタンも復活し逮捕のため奔走するSF映画。
公開が1993年なので当時の人間の考える40年後の未来世界なのですが、これがなかなか面白いです。この当時はロサンゼルスからサンアンゼルスに地名変更し汚い言葉を吐くと罰金が取られるようなコンピュータ監視社会。警官が暴力に対応できない程の平和ボケという楽園ぶり。ただし納得できない連中は地下に潜伏するという設定で何となく「火の鳥太陽編」が連想されます。余談ですが電気信号で性欲コントロールするというのはあり得そうな話ではあります。
暗い話になりがちな設定ですが「破壊屋」たるスパルタンとフェニックスが20世紀人をナメるなとばかりに大暴れする様が痛快の極みです。
バカ映画のようですが「綺麗な奴は少し汚く、汚い奴は少し綺麗になれば良い」と価値観を押し付けずに和解させるメッセージは心に残りました。
笑顔の可愛いサンドラ・ブロックももちろん心に残りましたが1番はフェニックスでしょう。陽気で狡猾でしぶとく1ミクロンも良心を見せない悪党ぶり。睡眠学習をして知能も腕っ節もパワーアップしてるはずなのにやはりバカという忘れ難いキャラクターでした。
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