Yukiko

ロープのYukikoのレビュー・感想・評価

ロープ(1948年製作の映画)
3.8
2021年11月27日
『ロープ』  1948年アメリカ制作
監督、アルフレッド・ヒッチコック。

都会の瀟洒なアパートの一室。
大学生で学業優秀なブラントン(ジョン・ドール)と
フィリップ(ファーリー・グレンジャー)はアパートの
一室で、友人だったデイヴィッドをロープで絞殺す。
更にスリルを味わいたくて、デイヴィットの死体を
入れたチェストの上にご馳走を並べ、パーティーを
催し、ディヴィットの父や恋人、教授等々を招く。


異常。
ニーチェの理論を実践したとのこと。

この事件は1924年に実際にシカゴで起きた、少年の
誘拐殺害事件「レオポルドとローブ事件」を元に
映画化しているそうだ。

映画も実際の事件も、ニーチェの超人思想の信奉者で、
知能は高く、完全犯罪を成し遂げられると信じていた
そうだ。

映画はアパートの一室で事件は起き、そこに招待客が
集まり歓談する。
ディヴィットの死体がある、その上のご馳走を皆が
食べ、ディヴィットが来ない、遅い、何故だろうと皆が
ディヴィットを心配する様子を、ブラントンは優越感を
味わいながら、皆の言葉を聞いている。

が、フィリップは次第に情緒不安定になっていく・・・

そして、そんな二人の様子を何かおかしいと観察する
大学教授。

映画はこのアパートの一室だけに終始する。
ブランドンとフィリップの心理描写が主だ。
この部屋を出て、外にロケなどしない。
感じる閉塞感。

事実は映画よりも奇なり。
「レオポルドとローブ事件」はもっと悲惨で残忍な
事件のようだ。
Yukiko

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