きゅうりのきゅーたろう

生きものの記録のきゅうりのきゅーたろうのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
3.8
家庭裁判所の調停委員を務める原田が担当することとなった中島家。大黒柱でもある中島喜一が家族から申立を受けた準禁治産者申立裁判であった。原爆の脅威に恐れをなし全財産を投げうってブラジルへ移住しようとする喜一とそれを止めようとする家族の姿を原田は目にする…というお話。


なんというか、面白いけど変な映画
当時の人はこれ見てしっくりきてたんやろか
否が応でも陰謀論とか、宗教団体への多額のお布施とか今風なSNSでよく見かける話題を想起させる内容
確かに喜一の言うことももっともなんですけど、日常や仕事においても「どうしようもないミスやリスク」は意図的に見逃してるよね、けどそれって大丈夫?ってことを突きつけてくる
大丈夫ではないんですけど、リソースが無いので大丈夫ってことにしとかないといけなくて、大丈夫じゃないって判断してしまえば対応の必要性が出てくるから
無理やり現代に引き寄せると北朝鮮がミサイル撃ってくるけど、人が住んでるエリアには多分落ちて来ないだろうってなってるのも近いかなーと思います。
大丈夫じゃないと判断した場合にはマクロでは抑止力なり対策なりをしないといけないし、ミクロではそれこそミサイルの射程外の所へ引っ越さないといけないけど、現実そこまで大掛かりなことにはなってないのはどこかで大丈夫やろって判断してるから。
やばいって言うと陰謀論者扱いされる過度さも平和ボケと言われる一端なのかも。

にしても倍くらいの年齢を演じた三船敏郎やばい
(準)禁治産って言葉を知れたのも良かった