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デスプルーフ in グラインドハウスのtamagoのレビュー・感想・評価

4.5
めちゃくちゃ久しぶりにタラちゃん作品を観て、やっぱりこの人のセンスすごいわ、と改めて感じさせてくれる、超B級バイオレンス(変態)アクションでした。
姉妹編?のプラネット・テラーをかなり前に観て、珍しく途中で離脱しちゃったので、この作品も興味はあったけどあまり観る気にならず。メアリー・エリザベスちゃん目当てで再浮上してきたので観て大正解!

お話は、落ち目のスタントマンでサイコ野郎のカート・ラッセルさん扮するスタントマン・マイク(この名前をマジで名乗るとことかもハマるとこ)と二組のガールズの悲劇と喜劇とカーアクション、それだけといえばそれだけのエンタメに振り切ってるとこが超B級。
ちょいちょい挟まれるガールズトークも確かにだるいかもやけど思った程苦痛でもなく、前半のどうでもいいような酒場のシーンとかもカメラワークがカッコよくて、カークラッシュシーンのど迫力とエグさのさじ加減が絶妙で、タラちゃんなので選曲もばっちり!劇伴も緊迫感を煽ってていい。
焦らされた分、後半の畳み掛けるようなアクションの連続は、爽快感を感じさせるすごい力技、かつ下手なコメディ映画よりも笑わせてもらいました。
実際はA級のスタッフにしか作れないA級映画でした。

お目当てのエリザベスちゃんは、若くてお顔もまだ幼さが残ってる感じで天然キャラがすごくハマってて良かったです。最近アクション路線みたいやけど、コメディも出て欲しいし、車で口ずさんでた歌声がかなり魅力的だったので、ミュージカルも観てみたいです。
あと、ゾーイ・ベルさんが本人役で出てますが、普段の会話ではちょっとハスキーな声でお茶目な感じで可愛らしいとこもあるのに、めちゃくちゃハードなカースタントとバトルシーンのおらおら感のギャップも楽しすぎました。
しかし、なんといっても、カート・ラッセルさんの怪演が凄すぎて、よくこんな役引き受けたなぁとそのプロ根性には脱帽です。何気に『遊星からの物体X』新旧の主演俳優が揃い踏みなのも、なんだか嬉しかったり。

ネタバレになるので書けませんが、とにかくラストのカーアクションは、ど直球だけど生身のスタントの緊迫感が半端なく、まさに手に汗握るシーンの連続で、タラちゃんのこだわりが感じられます。そこから畳み掛けるラストシーンは、好きなラストシーンの5位以内に入る衝撃?のラストシーンでした。

この作品があったからこその『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、というか、セルフオマージュといってもいいくらいだと思うので、『ワンス…』未見の方は、本作を観られてから観るとより楽しめるかなと思います。
蛇足ですけど、コメントで書いたIMDbのトリビアが楽しんでもらえたみたいなので、こちらにも書いときます。
タラちゃんがショーン・ペンさんと酔ってだべってた時に「パルプ・フィクションみたいに交通事故で死にたくねえから、ボルボ買うわ」と言ったら、ショーンが「ほんなら、どんな車でもいいからスタントチームに渡して2百万円くらいかけたらデスプルーフ仕様にしてくれるで」と話したことからデスプルーフというアイデアを思いついたらしいです。
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