つかれぐま

デスプルーフ in グラインドハウスのつかれぐまのレビュー・感想・評価

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『グラインドハウス』2本目

タラタラと半分以上を占めるガールズトークが、1本目の猛毒『プラネットテラー』の解毒剤になる。劇場で続けて観る客のことを考えた二本立てならではの妙だ。

前半は『プラネットテラー』と同じ街が舞台(時系列ではこちらが先で、あの女医と保安官の父娘も顔を見せる)。こちらの疲れが取れたころ、突然のギアチェンジ(エロいガールズトーク➡地獄のようなカーアクション)に唖然。ウェルメイドな映画にはない「雑さ」なんだけど、これをあのタランティーノがやっているんだよな。

後半はテキサス➡テネシー州に舞台が変わり、画質も徐々に「普通の」映画のそれに戻っていく。最後の15分はタランティーノ全作品の中でも屈指の名場面だ。本物スタントマンのゾーイ(キルビルでウマ・サーマンのスタント)が、自分役で大活躍というメタな「映画」の勝利で終わる。

"THE END"のタイミングが絶妙。
これが「フェミニズム」かどうか?なんて、どうでもよくなる突き抜けたエンディングだ。