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プラダを着た悪魔のshimoのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.4
若いの時に必ず観よ!そして年齢を重ねてもう一度観よ!
目線を変えて2度観れる、この映画は師弟の絆を描いた傑作映画だ!!!!

就職したばかりの若者の目(主人公目線)で見ると、この物語は異世界往還譚。
価値観の違う世界を冒険し、そしてたくましく成長し、本来の自分の居場所に新しい価値観を持って帰っていく物語。

もう一つの見方は、編集長(あの厳しい人)の立場に立つ見方です。
この物語はメンター(指南者、教育者)のあり方を提示しているように思いました。

最もそう思わせるのはラストのシーン…のちょっと前。
主人公がrunwayの仕事を辞めて次の職を求めて面接に行くシーン。
ミラー社の面接官は主人公に前の職場の編集長から直々に手紙が来ているといいます。その手紙は、編集長を理解できなくなり仕事を放りだした主人公に対して、罰を与えるものではありませんでした。

メンターという存在には弟子の巣立ちが必ずやってきます。
その時、"どう別れるか"これは今の時代にも度々度々度々訪れます。

メンターから巣立つ瞬間、弟子は出会う前より自立し成長している訳ですから、大人と大人の関係になります。この状態で師弟関係を保ち続けるのは困難です。やはり喧嘩別れをすることが多いと思います。


弟子との別れの時、メンターはどうすべきか。その答えをこの映画は提示しているように思います。

「ブラック企業に入っても頑張れよ。後々タメになるから」みたいな物語として読むこともできるのでしょうが、この映画はそんなチンケなもんじゃない!と思ってレビューを書いてみました。
もしそんなふうにこの映画を観ている人がいたら噴水に放り込んでしまいます。笑
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