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ベイビー・ドライバーのshimoのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ニュータイプのミュージカル映画!

予告編を観るとド派手なカーチェイスシーンばかりがピックアップされていますが、この映画の魅力はそれだけではありません!

銃撃戦から、日常シーンまでほとんどのシーンが音楽とともに描かれます。従来のミュージカルシーンのように明らかなダンスを踊るのではなく、自然な動作と音楽がマッチングするように演出されています。

圧巻なのはタイトルが画面に出た後のシーンです。
約3分間ほどの長回しのシーン。主人公がコーヒーを買って帰ってくるという物語とはほとんど関係のないシーンなのですが、ここに制作陣のありとあらゆる工夫が込められているように感じます。
音楽そして歌詞に合わせてシーンは進みます。
歌詞が木や壁に書いてあったり、音楽に合わせてATMやバイクの音がなったり、歌に合わせて主人公が喋ったりします。
なんと言ってもヒロインがこの長回しのなかに既に登場しているのが驚きです。ヒロインが後に登場する通りの壁には押し寄せる波が描かれています。
その壁をヒロインが通り過ぎる時、壁には押し寄せる波とともにハートマークが描かれており、主人公が一目惚れしたことを粋に表現しています。

主人公がブラックコーヒーを飲めなかったり、お子様向けメニューがテーブルの上に置かれていたり、主人公(BABY)が子供であることを暗示するシーンがいくつも出てきたりと、知性をくすぐられるシーンがいくつもでてきます。

ストーリーやカーチェイスシーンだけでなく、考えてみれるレベルの高い映画だと思いました。
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