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26年のshimoのレビュー・感想・評価

26年(2012年製作の映画)
4.2
「26年」
光州事件の時に子供だった人々のその後の26年間を描いた映画です。

権力が人に与えた傷は被害者側が「許す」と言える日まで癒えることはありません。加害者側はどんなに手を尽くし、いくら金を払おうとも、「許す」と言われるその日まで謝罪を繰り返さねばなりません。謝罪をしない時に生まれるものは復讐心です。
アメリカ映画はベトナム戦争での自国の残酷さを描き続けることによって自らを反省させ続けます。韓国も同じように光州事件での自国の残酷さを描き続けています。
自国の恥ずべき過去を飲み込めるタフな文化があることに心からの敬意を表したいです。

1つだけ良くないなと思ったのは死んでも殺したい相手が目の前にいるのに、なかなか殺さないところです。
隣のやつの銃取れよとか、さっき蹴ったやつそこに落ちてるやろ!とか思ってしまいます。劇的なシーンを撮るためというのはわかりますが、北野武監督以降その辺のリアリティは厳しく見られるのが現代の映画だと思います。どうしても目に付いてしまいました。
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