dita

ニワトリはハダシだのditaのレビュー・感想・評価

ニワトリはハダシだ(2003年製作の映画)
3.5
@ シネ・ヌーヴォ 77

カーチェイス、ダンプ(今回は重機だが)、「ご飯食べた?」、歌、祭り、破壊、トルコがマッサージ店に変わっても変わらないものがたくさんあった。めちゃくちゃに壊された家の前でたったひとつの命を懸命に守る、離れていてもあなたを思う、ぎりぎりのところで人としての核を捨てない優しさ。森崎の目線はいつも変わらない。

犬には服を着せる癖に他人の寒さには気付かない。お天道様に文句を言っても日の丸には文句をつけない。障がいのある人は生きていても仕方ない、ホームレスには生きる価値などないと声高に叫び、人を傷つけることに抵抗を持たない。考え方は人それぞれ、個人には個人の当たり前があるのかもしれない。でもそれはハダシのニワトリではない。ニワトリはハダシだ、は個人の当たり前ではなく人間と社会の当たり前だと解釈した。

夢と冒険を経た少年は菩薩にはならないかもしれない。でも、生きてるうちが花なんだぜ。頭でっかちはやめて、へその下で生きようぜ。
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