ニワトリはハダシだの作品情報・感想・評価

「ニワトリはハダシだ」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

1.0
森崎東監督作品。

最初のうちは、サムという少年が、あまりにもわがまま放題の行動をするのでイライラした。ただ、物語を見ていくと、この少年が知的障害者であることが分かってくるが、それでも「知的障害者であれば、別の描き方があるはず…」という気がした。
また、父(原田芳雄)に買ってもらったコロッケを踏みつぶしたり、ケーキを父の顔にぶつけたり、(外人の女が)丼ものを頭に乗せるなど、食べ物を粗末にするシーンが多いのもいただけない。

物語も、検察庁のトップとヤクザとの関わりとなる証拠を、知的障害者サムが見たということで警察がサムを追いかけるという展開だが…。
knkne

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3.8
在日朝鮮人、知的障碍者、汚職問題と一見重ためのテーマかと思いきやユーモアを持って描かれている。チチが強すぎで地元民奮闘記感すごいしやや詰め込みすぎなきらいはあるが、画面から感じられるパワーは昨今の邦画とは一線を画している。
ハハがスカートでチチの顔拭くとこ◎
HappyMeal

HappyMealの感想・評価

4.0
キャストは言わずもがな、カーアクションから「ご飯食べたー?」までセルフオマージュ盛りだくさん、生きてるうちが花なんだぜ
え

えの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

食べ物を浴びる、水に飛び込む、勢い
森崎東の片鱗
警察の汚職事件とか暴力団とかいうドラマが入って、この少年らを通して見えてくるものに若干の距離を感じてしまった部分はあり

原田芳雄がひたすら強い、、そうあり続けなければならないチチ
森崎作品にはもう倍賞美津子がいてほしい、と思う
それにしても党宣言を思わざるを得ない原田芳雄と倍賞美津子、と思ったらやはり制作の時点でそれは意識していたらしい、あの抱き合うところなんて完全にオマージュか、党宣言を見返したくなる
槙

槙の感想・評価

-
森崎東作品にしては勢い弱めだし、知的障害児を神聖視する感じの大人が出てきたりでこれはちょっと合わないかなぁ……と思ったけど終盤のもっていき方がすごくてふつうに号泣した……「おてんとさま」が「日の丸」に変わるときに転じる価値観の危うさ。

知的障害児であるサムをチチ(原田芳雄)とハハ(倍賞美津子)は必死に育てていて、それだけだと親と子の愛情みたいな安易なテーマになってしまいそうなんだけど、ハハが在日コリアンという設定がある。ハハには「自分の故郷は生まれた場所。韓国でも日本でもなく、(生きることを選んだ)この町と海という考え・価値観みたいなものがあり、それが自分や他者をどう生かすか、というところに繋がってきているように見えた。

ここ数年の邦画で「特別でない私が特別でない私をどう受け入れて、他者に尊重できるか」みたいなことが主眼になっている作品をよく見かけたし、「特別でない」という感覚ももちろん大切だと思う。ただ一方で、それを尊重しようとするあまり無効化、透明化されてしまう人たちや生き方もあるように思う。森崎東はそういう人たちの存在を掬い上げていて(検察・警察、ヤクザ、いわゆる“底辺”市民、三つ巴のラストシーンのカオスがこの作品でいうとそれを象徴しているような絵面だった)、それが観客であるまったく境遇の違うわたしをも照らしてくれるように思えるのだ。
森崎東作品に出てる人たちはみんな傷つけ合うし実際傷ついてるけど、同時にそのありようが“誰も傷つかない世界”の入口ではないかとさえ思ってしまう。
森崎監督&原田・倍賞の仲違い夫婦&原発の町が舞台と『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』と似通ったシチュエーションで在日朝鮮人家族、知的障害児、検察官憲汚職といった問題を詰め込んで描くコミカル、ハートフル&ハードボイルドストーリー。前作もそうだが内容詰め込み過ぎてどうもしっくりこない。検察トップにも絡む贈賄ベンツや出納帳を巡り警察、ヤクザの摘発&揉み消し抗争のドタバタが特にその他の問題と遊離し過ぎていて馴染めなかった。新人デビューの肘井美香が初々しい。
アノ

アノの感想・評価

3.3
ちょっと長すぎるし社会風刺に気合い入れすぎて警察サイドが全然面白くない不快なだけのキャラになってしまっている(特に塩見三省が酷い)のが不満だが、終盤のクレーン車同士の激突はケレン味もりもり。
あの、ベンツの現れ方ったら無いね。
ムチコ

ムチコの感想・評価

4.0
てんこ盛りだー!
原田芳雄と倍賞美津子が夫婦ってもう世界一強いじゃないか。あらゆる登場人物が転び、つまずき、よろめくのは森崎東の映画に頻出だけど、倍賞美津子だけがスイスイとツッカケですり抜けていく。

塩見三省のウザ暴力キャラは森崎ファンが手を叩いて喜ぶやつなんだろうけどわたしはああいうのあんまり。あと、お話の中とはいえ、パニックを起こしやすい特質のある子をいきなり海に潜らせるのちょっと怖かった(体験ダイビングでパニックを起こしたことがある人間の感想)
☑️『ニワトリはハダシだ』及び『田舎刑事 まぼろしの特攻隊』▶️▶️
『黒木太郎~』という映画の枠からも越えた鬼気迫る異色作は、その映画枠を超えた「ニワトリは~」の掛け声まんまの独立プロ作と、特攻隊と戦中意識はテレビという興行無視の世界で更に存分に、飛び火してゆく。
『ニワトリ~』は一点への愚直なまでの拘りでの停滞·執着感が少なく、家族·民族·国家·権力·養護施設·検察と警察·風土ら様々な問題へスルリと都度抜けるか拡がるかして、味わい深いユーモア·人間性·内的スケール解放を互いが与え合って、不思議かつ明晰な曇りのない作。真っ向からのキャラの衝突感が少なく、森崎の代表作と呼べるかどうかは、その色合いがちと違うかなという気もするけれど、表現的に最高レベル作には違いない。それくらい、映画としてもだが、止まらない発信能力とそれの成す伸びやかさとキレは美しい。カメラの扱いは随分スマートになってゴツゴツ感が薄れているにしても、何しろ人物が走り回り転げつくし小突かれ倒されまくる。それはその本人たちが持っている現状に埋もれず自己を問い闘い続ける活力·欲求の、人間離れしてより·人間に戻ってく志向の尽きなさによる。絶対ピンチにも、あり得ないルート·技倆·速度で救いが現れる。肉親の愛情であり、不正への憤りであり、届きに全く不自然などない。
舞鶴の養護施設の女先生の子供たちへの芸見せから始まり(一番動き回るのが彼女でキャラというより、森崎の剛腕スッ飛ばしに追われ)、そのある生徒の父が潜水夫で、その妹の方を引き取ってる別居中の母は、戦後帰国船沈没でここに残り続けてる在日。先生の父は大阪府警の大物で、次期検事長王手の義兄に縛られてる面あり。ここに赴任の新米刑事が、ノンキャリアが告発に向かってた検事長目前に関する汚職データが、車盗難から地元ヤクザの手に落ち、その奪還·揉み消し、特技でそのデータ全記憶の子ども(先のある生徒)の抹消が、国家の中枢から行われんとし、車が転々とする中、駆けずり回ってゆく(女先生と共に)。警察や少年一家の行動に圧力がかかってくる。「朝鮮人でも韓国人でも日本人でもない。生まれたここの人間、○○○人や。チョンでもいいんかと言った時の、あんたの応えた言葉が忘られせん」「警察も検察も全ててっぺんは、親方日の丸や。それが変わらない限り日本からいじめはなくならん」「釈迦没後の救いまで時おり視察の弥勒菩薩。養護施設の教え子らがあんたのそれや。辞めたらあんたでなくなる」「嫌いで離婚したのでは。一途仕事の人。存分にその邪魔にならんよう」「訴えられるも受理も検察庁? ー子供といえど少年院行きで口封じへ。検察と警察の対立? 天皇認証式に先んじTV告発? 国はどうなる? 国が壊れる。革命やぞ」
舞鶴の湾·河·島·危険施設·家並·人間·家族·血筋·歴史·立位置·対中央·祭りといった要素に反した、自然で柔らかく自発弾むタッチが知らぬうちに張り巡らされ、両方のあらゆるレベルが刺激しあい、リンク·呼吸してゆく。 頭の椅子から床まで寝落ち段階的や車の跳ばし、人へ投げ飛ばし·小突き·蹴るアクションまで、角度·サイズのカット割りが、描写にフィットしより味と見えぬ意味を与えてる。俯瞰め·望遠めや、作り抜かれた屋内外のセットの自由な深み、重機や祭りのスケール·迸り感も、知らず組み込まれてる。「ひょうたん島」の歌や現物、「生きてるうちが花なのよ」の歌、が時代を超越し存在してゆく。政治·権力·汚職の暗部·報道も、彼方も同列奥に安っぽくスリリングに鎮座し係わり、空洞ぶりだけを顕してゆく、結構爽快に。
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森崎はテレ·フィーチャーでもワンカット毎に込める熱·想い·公正さの力は変わらない。この『田舎刑事~』など、より自由に展開を伸ばせていった所があるのではないか。早坂の脚本は必ずしも上手いとも云えないが、途中信欣三と渥美の絡み辺りから伝わってきた、カットを変えるごとに背景の山など風土の在りかの示し、テレビ的なカット割からフッと振る人と反応する人の間を速めパンで繋ぎ、切返しもコンベンショナルというより実際の間を詰める切迫による、カットバックや長めパンで位置と知覚の程度を粘っこく押さえる、などの効率やムードよりつよい対象への執着·愛着。役者は必ずしもドラマトゥルギーを辿るに留まらない表情を見せても、その微細さと丸ごと全体を愛し抜く。野や道の歩み·検索、家や車の出入り·列車やバス中の佇まいのカット(割り)が丁寧で、一方何気のワンカットの縦捉えで手順必要な者らを瞬間で結ぶ。切り結ばない望遠寄り図の表情は自力で生き抜き、開放されている。
整備兵なのに特攻隊員のつもりにはまりこみ、戦後はその姿·精神を映画の形で再現·遺し·伝える一念に。西村本人というより、(ブルーフィルムではなく、本編の大スターとはいえ)鶴田をそのまま描いたような作品だが、特攻隊員を装って、出撃前の生涯一夜きりの筈のマリアによる夜伽を味わった屈折·紛い物の自覚·その葛藤昇華がより本質化してて、戦後の生はより空洞で死を間近に望む、人間の話となっている。映画自体が、偽物·嘘の世界なのだから、こっちの方が真実に近いようなものだが、また、本物以上の純粋さを実現·希求出来る場でもある。屈折感が柔らかく、愛おしく、控えめに繋がる。「知覧」の地名がでた瞬間でストーリーは予想出来るものだが、それぞれの俳優縁起·ロケ地辿り着き·映画タッチからの粘りが作品を得難い感触にしてゆく。
早坂の本以上に、熱気·真剣味のこもった作品で、事件の当事者だけでなく周りも同じ空気·向き合いに引き込み、只、恐ろしいというのでなく同じくらいに懐かしい、相互に全てを明かし切らない節度·思い遣りもナチュラルだ。
yuka

yukaの感想・評価

4.5
チチと暮らすサム、ハハと暮らす千春

知的障害児、在日朝鮮人の歴史、ヤクザと検察の癒着などさまざまな要素を織り交ぜ、日本の多様な在り方を映し出す

でも中心にあるのは男と女、親と子の間に流れる感情であり、その表現もめちゃくちゃ良かった

特に倍賞美津子演じるハハの大きな愛にやられた

長いものに巻かれない加瀬亮ら若者にも励まされる

すごく好き