パゾリーニ監督作品…2作品目…。
『テオレマ』が良かったので…その兄弟作品とも言われる今作にチャレンジ…しかし時期尚早(?!)またしても、2回鑑賞!! 面白いですが…未だワケワカメ꩜…。
冒頭から既に『テオレマ』を感じます…。
物語は全く違う時代、舞台を背景にした2つのエピソードを交互に描きます…。
ひとつは中世…岩と砂が支配する荒涼とした火山地帯…蝶や蛇を食べながらひとり彷徨う若者(ピエール・クレマンティ)…そしていつしか、出逢う人々を襲ってその人肉をも喰らってしまいます…やがてカニバ仲間も増えますが…同時に村の自警団に狙われることに…。
もうひとつは現代…西ドイツが舞台…主人公のブルジョワ青年ユリアン(ジャン=ピエール・レオ)は何不自由無く暮らしていましたが…婚約者イーダ(アンヌ・ビアゼムスキー)には全く興味を示さない変わり者…。
ユリアンのチョビヒゲ父さんはファシストを連想する、まるで見た目もヒトラーの崇拝者…。
ある日、その父親の商売敵ヘルトヒッツェによりユリアンの衝撃的な秘密が暴かれることに…
な,なんと…豚小屋に潜り込み…豚とS○X…。
ユリアンのチョビヒゲ父さんに対するささやかなルサンチマン的反抗なのか…それとも単なる嗜好なのか…??
映像ではユリアンの典雅な豪邸、豚小屋の見事なまでの美しいシンメトリー…そして会話のシーンも画面の両サイドに別れ動かない構図の多用…その美しさに対比するようなひたすら荒れた荒野と雲海の上を歩く寂寞感…対比が見事…。
また掛け合い問答のような要領を得ない長いやり取りや政治的な意図の込められた話はピンとこない現代に対して、中世は…銃の音、剣を合わせる音、荒野を踏み締める音、乱れる息遣いのみで、一切の台詞がありません(ラストまで)…。
数々のメタファーに彩られたふたつの寓話的な世界…まったく関係無いように見えますが…このふたつの帰結が見事に同化します…。
また、資本主義によるブルジョワ批判は『テオレマ』でも感じましたが…ワケワカメな政治姿勢に対する表現も軽妙で一切悲壮感のないところも見事…。
ラスト、権威主義者による秘匿の忠告とそのジェスチャー…この終わり方もⳣ₹❤︎”