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緑の光線のmajiziのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
4.0
めんどくさい女選手権があればぶっちぎりの優勝を飾るであろう主人公デルフィーヌ。

休暇に予定していた旅行をキャンセルされた彼女は、家族や友人のいろんな提案にもことごとく文句たれつつ、結局友人のバカンス先に同行する。

だけども全然楽しめない。
ずっと鬱々として突然一人で泣いたり、みんなで食事の時に
「私はお肉食べない主義なの、なぜなら…」
などと言い出す始末。
楽しい食事の雰囲気、破壊。

やっぱパリに帰ると言って突然帰ったり、一人で山に行ったり、なのに即日帰宅したり、また海に一人で行ったり…
彷徨えるバカンスバカ。

同じく一人で海に来ていた北欧娘と意気投合するも、男は現地調達や!ていうかそれが目的やん?みたいな超肉食系で(この子ビーチでずっとトップレス)ナンパしだす彼女や相手の男たちとも会話に温度差ありすぎて、というか会話に参加すらせず早々に退散。


新しい恋を求めていて孤独や不安で押しつぶされそうなのに、適当な関係の人たちとは一緒に居たくないという、協調性も無ければ一人パリで休暇をおくるという自立性もないデルフィーヌ。


こういう人いる!
知ってるわ!(自分含めて)笑

道端に落ちていたトランプのカードに予言めいたものを感じたり、海で偶然耳にした太陽が沈む時に一瞬だけ見える「緑の光線」に反応するデルフィーヌ。


ちなみに今回の格言は

“心という心の燃える時よ来い”
ランボー


心が不安定なときも、恋のはじまりも些末なことに意味付けをしたり、でもそんなもんで浮上出来るなら人生を深刻に捉えているデルフィーヌなんなのって感じで笑えた。

最後の音楽は相変わらず謎のセンスでこちらを煽ってくるロメール師匠でした。
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