佐藤克巳

路傍の石の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

路傍の石(1938年製作の映画)
5.0
田坂具隆監督のおそらく日本初本格的文芸映画の傑作だろう。下宿浪人画家江川宇礼雄が忍従する子供片山明彦をダルマに例えて自分の足で立てに奮起、片山が、開化丼を切っ掛けに下宿屋主人沢村貞子、松平富美子にランプを庭石に叩き付け怒り爆発、堂々と社会に飛び立つ爽快な結末に感動。男の美談としては出色の出来だが、当時、秋山好古等貧しくとも師範学校進学という選択肢もあった気がしてならない。なお、片山明彦の聡明な美男子の子役は後にも先にも無いであろう。
佐藤克巳

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