明日4月29日は去年亡くなったフランスの名優ジャン・ロシュフォールのお誕生日です。
存命ならば88歳に。
2018年はテリー・ギリアム監督がその生涯を懸けて挑み続けたスペイン文学の最高峰『ドン・キホーテ』が、遂に映画化成就!
やはりギリアムの魅せられた狂人ドン・キホーテには並々ならぬ思いがあるようで、
その肖像は既に『未来世紀ブラジル』の主人公の夢にも、『フィッシャー・キング』のロビン・ウィリアムズにも、『バロン』の主人公にも投影されていました。
そして2000年。
長年の構想が実を結び、ヨーロッパの少ない資本でなんとか撮影まで漕ぎ着けた『The Man Who Killed Don Quixote』
…ところがどっこい!
度重なる不運に見舞われ幻と終わってしまった過程を、克明に記録したのがこのドキュメンタリー映画『Lost in La Mancha』であります。
ドン・キホーテ役には熟考を重ねた結果ジャン・ロシュフォールが起用され、
彼は7ヶ月もかけて本作のために英語を習得。
がしかし、御年70歳の老体には悲劇が忍び寄っていた…。
他にも呪いのように制作を阻む問題が山積し、気の毒すぎる顛末には閉口せざるを得ません。
それでもギリアムは暗礁に乗り上げてもなお果敢に障害に食らい付き、映画制作を通して正に現代のドン・キホーテを体現したのです!
苦節19年、8度に及ぶ挑戦でやっと叶った彼の夢は、幸いにも失意の床に臥せったキホーテのようにはなりませんでした。
キホーテ役はロシュフォールから『未来世紀ブラジル』のジョナサン・プライスに、
サンチョ・パンサ役はジョニー・デップからアダム・ドライバーに、
ヒロインはヴァネッサ・パラディからオルガ・キュリレンコに。
(もしヒロインがリリー=ローズ・デップだったら最高だったね)
これでジャン・ロシュフォールの魂も少しは浮かばれるかも…?
と思いきや、またまた権利のゴタゴタで予定していた本年度のカンヌ国際映画祭の上映は絶望的に…!?
一体どんだけ呪われてんだー!