TAK44マグナム

ザ・ターゲットのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・ターゲット(1996年製作の映画)
3.6
チャーリー・シーンがドント・ブリーズなオッサンと戦います!

ドント・ブリーズなオッさん・・・つまり、スティーブン・ラングが殺し屋役でして、狙われる羽目になった大統領補佐官のチャーリー・シーンを殺そうと猟犬のように追いかけるチェイスシーンがウリなサスペンスアクション映画です。
共演にザ・強い女だったリンダ・ハミルトン、そしてドナルド・サザーランドなど。
監督は、あの「コブラ」や「ランボー怒りの脱出」でスタローンと組んだジョージ・P・コスマトス!


アメリカ政府上層部の不正を監視していたグループが「影の政府」が放った殺し屋によって皆殺しにされてしまいます。
ひとり助かった教授は、若き大統領補佐官であるビショップ(チャーリー・シーン)に危険な企みの存在を知らせようとしますが、ビショップと会ったところで暗殺されてしまいます。
その場にいたビショップも狙われ、新聞記者のアマンダ(リンダ・ハミルトン)を巻き込み、謎の組織の黒幕と企みの全貌を明かそうと奔走するのでした。
はたして、ビショップたちは黒幕の正体を知ることが出来るのでしょうか・・・・・?!

ちょい古い90年代の作品ですので、コンピューターとか骨董品レベルだし、盗聴や追跡のシーンも若干カビ臭いです。
しかし、そんなのは些細なこと!
スティーブン・ラングがまるでターミネーターの如く、冷たい無表情でチャーリー・シーンを追いつめてゆくのが楽しい映画でした。
なんといっても、劇中ひとことも台詞がありません。
とは言っても、別にスティーブン・ラングが楽しているわけじゃなく、恐ろしい追跡者をクールに演じておりますよ。

主人公の敵となる組織が、「影の政府」などと呼ばれるほどなのに、大して強大な組織では無いのは何だか肩透かしでしたね。
黒幕も、こいつしかいないだろうと思って観ていたらそのまんま予想通りだったし・・・。
クライマックスもありきたりでしたが、最後はちゃんとチャーリー・シーンが締めたので良かったです。大団円。

・・・いやいや、ちょっと待てよ?
さすがにこれ、関係ない人まで殺しすぎじゃない(汗)?
あの暗殺方法は確実性にも疑問が残るし、一見派手だけどあんなもんにあんな数の弾丸装填できるのかな??
まあ、昨今のドローンの脅威を予見しているとみれば、警告的意味合いも持たせることが出来るかもしれませんが・・・。

そういえば組織が狙う真の標的について、劇中ではかなり後半までは引っ張って判明しませんが、DVDジャケットで盛大にネタバラシしているぐらい大した秘密ではないというのも何だか寂しいですね。

兎にも角にも、冷酷非情なスティーブン・ラングが格好良かった!
さすがの悪役、おみそれ致しました。
しかし、この人の顔って、いつゴルゴ13に出てきてもおかしくないリアルさいとう・たかを顔だなあ、と本作を観て確信しました。
厳ついぜ!

P.S.
顔と言えば、大統領が何となく我らが安倍晋三首相っぽい眉毛だったのが気になりました。それだけ!


セルDVDにて