わたP

ロード・トゥ・パーディションのわたPのレビュー・感想・評価

4.0
とても重厚で静かなトーンの逃亡と復讐劇。そこで語られるのは父と子の絆の話であった。

冒頭はモノローグから始まるのだけど、この息子役の子のモノローグで父親のことを「彼」と呼んでいる。そこに妙な距離感を感じるなあと思っていたのだけれど、それはこれから始まる劇中で「父」であるところの「彼」を確認するためのようにも感じた。

思春期に近づいた息子のマイケルは父の仕事や家族を取り巻く環境に懐疑的になっている。それが父の仕事=殺しを目撃したことによって父への信頼を決定的に崩壊させるのであるが、友に旅をし、父と向き合うことで回復していくのである。
父側の視点もまた、息子への願いや無意識の意識を痛感させられる。

マイク(トム・ハンクス)とジョン(ポール・ニューマン)は親子のような絆があり、マイクは父でもあり息子でもあるということが描かれる。
ジョンもまた優秀な「息子」マイクと実の息子(ダニエル・クレイグ)の間で揺れるのである。

そしてそのある種親子喧嘩の中に入ってくるのが殺し屋役のジュード・ロウ、最高の存在感であった。もっと見たかった。

ラストのジュード・ロウとマイケルのシーン、マイケルが本当に大きくなったのかもしれないけど大人びて見えて、旅での成長をとても感じさせた。
わたP

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