Mikiyoshi1986

エド・ウッドのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

エド・ウッド(1994年製作の映画)
4.0
12月10日はハリウッドにおいて「史上最低の映画監督」「芸術の突然変異」と称されるエド・ウッドことEdward D Wood Jr.の没後38年目に当たります。

きっと他の多くの方がそうであるように彼の存在を知ったきっかけは本作であり、
ティム・バートンが彼に懐く並々ならぬ愛情とリスペクトは本編におけるエド・ウッド作品の再現率からビシビシ伝わってきます!
ただ、なにぶんマニアックな人物のヘンテコ半生とマニアックな作品の制作秘話を描くため、興味のない人やバートン・ファンタジー狂からしたら少々楽しみづらいのかも…?

かつてドラキュラを演じた落ち目の大スター、ベラ・ルゴシとの出会いと友情。
そして駄作を連発しながらも「次こそは…!」と映画への情熱を絶さなかったエド・ウッドの姿勢は、もう面白すぎて一周回って泣けてくる…。

彼の笑いどころ満載なエピソードを余すことなく詰め込み、これだけ要領よく無駄なく纏めた脚本も大変素晴らしいのですが、
俳優陣はエドを魅力たっぷりに演じたジョニデを初め、誰もが飛び抜けたインパクトを残しており、特にベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーのクリソツ演技はヤバい。

エド・ウッドが生涯憧れ続けたオーソン・ウェルズはアメリカ映画史上最高の傑作「市民ケーン」を生み出し、
かたやエドはアメリカ映画史上最低の「Plan 9 From Outer Space」を生み出した皮肉も粋な演出によって成されています。

久々にエド・ウッド作品を総ざらいしたいけど、やっぱ時間は無駄にしたくないから躊躇しちゃう。
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