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モロ・ノ・ブラジルのCharlieZGのレビュー・感想・評価

モロ・ノ・ブラジル(2002年製作の映画)
4.0
2000年、ヘルシンキからブラジルへ渡ったミカ・カウリスマキ監督が自らカメラを持ってブラジル音楽とサンバのルーツを辿って旅するロードムービー。

北東部のペルナンブコからバイーアを経てリオ・デ・ジャネイロへと南下するコースをジープで走り、その土地土地のミュージシャン達にインタビューし演奏を収録。
インディオの伝統的な歌と踊りからマラカトゥ〜フォホー〜カンドンブレーのダンスへとなかなか見る事の出来ない演奏の連続。
インディオと黒人音楽が融合しカンドンブレーを温床に発展して行くサンバがリオに近づくにつれ形になって行くのが面白い。
それぞれが地域の生活と密着しており、町の様子も映像で見る事ができて貴重。

そして何と言っても圧巻なのがリオに入ってからの映像!

仕立て屋でサンバ作家の亡きヴァウテル・アウファイアッチ、今やブラジルを代表する歌手・俳優のセウ・ジョルジ、SSWのガブリエル・モウラ、サンバ・ファンキのファンキン・ラタ、有名サンバ学校のヴェーリャ・グアルダ・ダ・マンゲイラの演奏シーンも観れる。
マンゲイラの古参メンバー“アルイージオ・ヂアス”の未亡人ドナ・ゼリアのインタビューと歌もありサンバの真髄を聴ける。そして驚きなのがカルトーラの妻で故ドナ・ジッカと偶然すれ違うというおまけ付き!

ファベーラやカーニバルの様子も窺え、今や歴史的価値のある映像を堪能できるミュージックムービー。
20年前の作品だがブラジル音楽好き・サンバ好きは必見の一作。
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