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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

3.7
マルグリット・デュラス脚本、アラン・レネ監督。戦後14年、心に傷を負ったフランス女性と日本人男性が広島で一夜を共にする話かとわかりにくい会話を読み解きながら理解したつもりになっていたら、ラストの会話でやはりフランス映画だった。フシギ…再び謎めいた。

ということで、理解できず。

匿名による身の上話をしたかったように思える。『あなたになら言える秘密のこと』という作品を思い出した。(本サイトやSNS、たまたま出会った見知らぬ人になら自分を話しやすいように)

しかし、女性の体験は確かに酷いが、相手も同じように酷い戦争体験している広島出身の男性だから、体験は違えど、恋愛は置いておいて、イーブンに受け止めてもられると思ってのことだろうか。

いやあ、敵国の兵士との恋愛による罰と、原爆とでは比較できないだろうに。イーブンにしないでほしい。

広島でなければならない理由がわからない、日本人なら絶対に作らない設定だ。

アウシュビッツやパールハーバーを舞台にした設定で同じ恋愛映画は作れないだろうとも思う。

岡田英次さんは、映画「ひろしま」で新任教員の役で主役だった。それから6年、フランス女優と不倫する建築家の役。もやもやする☁️

一方、アラン・レネのホロコーストの「夜と霧」は著名な原作あってのもの。オリジナルではない。

デュラスが監督した短編映画でもヒッチハイクで乗せてもらったトラックドライバーに身の上話をする作品があった。女性が一方的に語り、男性は惑わされ振り回される構図。その短編はおもしろかったが、こちらは女性の独り善がりにみえた。

美しい二人の異国人同士が互いに理解しようと努める恋愛と、美しい映像を愛でながらも、これは日本の、とくに広島ではやめてほしかった。広島をだしにされた気分。だからといって不快には至らなかったのがフシギ。フランス映画のマジック。

追記
皆さまのレビューを拝読して、どうも<戦争の忘却>についての作品だと書いている方々がいらして、確かに会話中で語られていたが、私にはそこまで理解が及ばず、それと二人の24時間の情事はどう関係するのか、やはり謎に包まれました。メタファーにもなってないし。
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