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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のnnmのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

え?なんだこれ、すごいんだが……鑑賞後ことばにできない感覚が残り、DVDの特典でついてた解説をよんでいろいろ腑に落ちてえ?なんだこれ、すごいんだが……になってしまった。なにがすごいってうまくいえないけどすごい。さいしょの、女が男の背中を抱くカットの肌理のあらさにまずぞわっときた、まるで被爆者のようだったから。それにつづいて原爆がおとされたあとの生々しいヒロシマの映像がながれて、バックでは「きみはなにもみていない、なにも」「わたしはすべてみた、すべて」のくりかえし。国どうしの戦争と個人レベルの愛とが重なって表現される。くりかえされるかけあいは原爆によるカタストロフの表象不可能性と対応している。もしかしてずっとこれ?と覚悟しはじめたところでぱっと女の顔がはじめて映る。現実に引き戻されたようなかんじ。そこからしばらく、男女の愛の話なんだけど、まああたりまえだけど背景にはつねに戦争がちらついていて、話がすすむにつれ戦争の所産がどんどん全面にでてくる。男は戦争で家族を失ったし、女は戦争で愛を失った。わたしは世界史の記憶を失っていたので女がなぜそんなヌベールで恥辱をうけたのかしばらくピンとこなかったんだけど恋人がドイツ軍人だからってことね。このへんから時間軸があきらかにぶれていく。あんな経験したらそりゃそうなるわってかんじだけど女はじつはこころに問題を抱えているみたいで、「あなた」と「わたし」もぶれていく。さらにホテルのバスルームのシーンも印象的。女の声が二重になってかけあいになる。「わたし」の内部でさえもぶれていく。もうだいぶ混乱してきた。男女をとりまく時間や空間やアイデンティティはゆらぎまくって、ラスト、「きみの名前はヌベール」「あなたの名前はヒロシマ」。ウワ~~~~~~~~~~~!!!!!すげ~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!なんかもうわからん。ヌーヴェルヴァーグのことはよくわからんがアラン・レネとマルグリット・デュラスはすごい。観られてよかったです。
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