こなつ

ショコラのこなつのレビュー・感想・評価

ショコラ(2000年製作の映画)
3.8
2001年公開、ラッセ・ハルストレム監督、主演ジュリエット・ビノシュによるアメリカ映画。ファンタジックな愛のドラマ
当時劇場で鑑賞した作品の再鑑賞。

強いカトリック信仰により、古くからの伝統や規律が根付くフランスの小さな村に、ある日謎めいた母娘がやってきてチョコレートショップを開店する。村人たちは、ヴィアンス(ジュリエット・ビノシュ)の作るチョコレートに魅了され、次第にかたくなな心が解きほぐされていくが、厳格な村長レフ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は快く思わず、ヴィアンスを差別し村人から遠ざけようと嫌がらせをしていく。

ヴィアンスに店舗を貸す気の強い孤独な老女アルマンドを演じるのは、名女優ジュディ・デンチ。ヴィアンスの娘・アヌークを演じる天才子役のビクトワール・ディビゾル。またハルストレム監督の妻であるレナ・オリンが、暴力的な夫から逃げ、ヴィアンスのところに身を寄せる村の女ジョゼフィーヌを熱演している。

そして一番の見所は、若き日のジョニー・デップ演じるジプシーの青年ルーとヴィアンスの恋模様。実際にアメリカインディアンのチェロキー族の血を引くジョニー・デップの野性味溢れるセクシーな姿、ギターの弾き語りで歌うミュージシャンでもある若き日のジョニー・デップの魅力が満載。

自由奔放だけど、強い意志を持って生きるヴィアンスが、ショコラの持つ魔法の力で村人達の心を溶かしていくストーリーは、新しいものを柔軟に受け入れることの大切さを説いているかのように感じた。ビノシュが演じる美しく神秘的なヴィアンスが魅力的だ。

彩り豊かな美しいチョコレートは、濃厚な香りや甘さが画面を通して伝わってきそうであり、2000年前のレシピで作るチリペッパーが入ったホットチョコレートは、何とも美味しそうで、ストーリーとともに温かな気持ちにさせてくれた。
こなつ

こなつ