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喜劇 女は度胸のbluetokyoのレビュー・感想・評価

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)
3.8
意外と面白い。なによりも渥美清パワーがさく裂しているのがいい。主役を食いまくっているし、ストーリーなんかどうでもよくなる。難を言えば、ストーリーが幼稚で下らないところぐらいか。臨場感のある雑踏のシーンを見ると森崎東監督はやはり山田洋次監督に近しいと思ってしまう。ただ、猥雑な感じは、山田洋次監督にはない魅力だ。

簡単にあらすじ。
自動車修理工場の仕事が終わって、同僚たちは街へナンパに向かう。そのあとにくっ付いていく桃山学はあまり乗り気ではなく、クラシック音楽を聴いたり、本を読んだりしたいのだ。

ところが、ひょんなことから、白川愛子と知り合い、仲良くなる。フォーク系ライブハウス?に行く。白川愛子は、近くの大きな工場に勤めていて、工場の寮に住んでいる。

桃山学は、家に帰ると、黙々と内職をこなしている腰の座った母親と、ふらふらしている父親、ダンプの運転手をしている妙なノリの兄、勉吉がいる。父親と兄はいつも騒動を起こしていて、桃山学はいたたまれない気分だ。
ということで、白川愛子に誕生日プレゼントとして、詩集を贈る。喜んでくれた。

ところが、なぜか、その詩集を兄がペラペラとめくっている。どこから持ってきたんだと聞くと、ちょんの間に行ったら、女がくれたんだと嬉し気に話した。
げっ、白川愛子さんは、ちょんの間で本番風俗やってんのか、と驚く学。勉吉といっしょに行ってみるが、やって来た彼女の足元だけ見て、勘弁してくれえ、ということでその場を逃げ出した。

一方、勉吉は、笑子という女と仲良くなり、一緒に暮らすようになっていた。

学はやはりどうしても、白川愛子と会いたくなり、例のちょんの間に行ってみる。今川焼の主人が取り次いでいるのだが、主人の後を付けて、白川愛子の住んでいる木造アパートを突き止めた。

さっそく、そのアパートを張っていると、案の定、白川愛子がやって来るではないか。やっぱり、ちょんの間で本番サービスやってたんか、と絶望する学。だが、実は、白川愛子、友達の家に遊びに来ただけ。
その友達に詩集を貸したのだ。

その友だちこそ、笑子だったわけだ。そういうところへ、当たり前のように、お、なにやってんの、おまえら、みたいな感じで勉吉が現れるのだ。

ということで、ひと騒動あってから、みなで家に行くと、いままで、黙っていた母親が本領を発揮して、騒ぎを鎮める。

勉吉は笑子と、学は白川愛子と揃って家を出て行き、あとは、母親と父親だけになった。

父親が心配になって、笑子のところへ行ったりする。それを知った勉吉、おれたちは、(穴)兄弟なのに、親子かよ、と大受け、というのが、下品でよかった。

とにかく、渥美清さんの魅力が全開の作品だ。
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