カトキチ

ドーン・オブ・ザ・デッドのカトキチのレビュー・感想・評価

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)
5.0
映画史に燦然と輝くマスターピース、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』を無謀にもリメイクした作品。

ロメロ御大はこのリメイクを気に入ってないご様子だが、当時、絶対に駄作になるはずだと意気込んでいた好事家たちを7割くらいはノックアウト(カトキチ調べ)。“走るゾンビ”を効果的に使い、消費社会への警鐘やアメリカという国に対する批判などのサブテキストを全部切り捨て、やや牧歌的なムードもあったテンポをパンクに編集。

その結果、映画は大ヒットとなり、どこの馬の骨ともわからぬ男だった監督のザック・スナイダーはその後、当たらないと言われていたコスプレ史劇の『300』で、脚本のジェームズ・ガンは『スーパー!』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で一躍ヒットメーカーの仲間入りを果たした。

冒頭の終末感、ショッピングモールでヒャッハー、『牛頭』ばりの出産シーン、真向かいの拳銃ショップに籠城する男との友情、装甲車での逃走、油断してたらチェーンソーで!!!あー!!……などなど、良いシーンを言い出したら枚挙にいとまがなく、実はオリジナルよりもリメイクの方が好きだったりする。

とはいえ、ぼくはロメロのゾンビ映画で何が好きか?と聞かれると『死霊のえじき』と『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と答えるのでその時点で少数派ではあるのだけれど。
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