ゴロフキン

亀、走るのゴロフキンのレビュー・感想・評価

亀、走る(2009年製作の映画)
4.1
「愉快なキムユンソクお願いします」という無謀発注をしたところ、フォロワーさんが教えてくださったのがこちら。そうそう!これです、 このユンソクです!
 キム・ユンソクの(自分の勝手な)イメージ「不死身」「無表情」「牛骨」は皆無の安心キャラ設定。基本、何事にもやる気のなさそうな田舎の刑事です。当然出世コースからは外れ、刑事なのにヤクザ連中とつるんでるような、いつあちら側に転落してもおかしく無いようなやさぐれおじさんです。奥さんには尻に敷かれ頭が上がらない反面、その奥さんのヘソクリを勝手に博打で使い込んじゃったりするダメ人間。 しかしこんなキャラなのに哀愁があり過ぎてなぜかとっても魅力的に見えちゃうんだからキム・ユンソク恐るべし。そんな彼がある日、闘牛博打で大穴ゲットし、これでようやく奥さんにも楽をさせてあげられるし新しいパンツも買ってあげられると大喜び(この時のユンソク満面の笑みは貴重です!)してたところに悪夢のお知らせ。「配当金が強奪された」と。その強奪犯人がどうやら指名手配中の大物らしく……。 仲間のチンピラ連中と組んで犯人を捕まえようとしますが、全員バカな上に弱いので簡単に返り討ちにあってしまうのですが、このまま終わってたまるか!という、そんなお話。
 全編とぼけた感じのユンソクが新鮮です。会話のテンポが妙にゆるくて、ドタバタ系ではなくじわじわ込み上げてくる感じのコメディかな。家族、特に娘さんとの冷めた会話が個人的にツボ。
 自分が知る限り、キャリア中一番かっこ悪いキム・ユンソクですが一番魅力的なキム・ユンソクです。ラストのシーンは油断してると涙腺壊れかけます。
 超マイナーですがもっと注目されていいんじゃない?的な映画です!
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