真田ピロシキ

ストリートファイター II MOVIES STREET FIGHTER!!の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.5
2018年は長いゲーマー人生で縁が薄いと思っていた格ゲーにストリートファイターVで開眼して18000円のアケコンまで買っちゃいました。実力はまだゴミなので今年の映画始めをコレにして闘志を高めていく。

スーパーストリートファイターⅡ Xの稼働時期に公開された映画で全キャラクターを出している。ザンギエフとブランカ、ディージェイ等は無理矢理出した感が否めずキャミィも客寄せパンダ。もっともこれはそういうファン向け映画だと割り切っているので文句はないです。結構本筋には絡まない脇キャラの描写もされている方でフェイロンがこんなに目立ってたのは覚えていなかった。笑えるのはインドで果実売りとしてカメオ出演している豪鬼。こうやって日銭を稼いでいたのだと思うと豪鬼の事が少し好きになれる。「食して去ねい!」とか言ってるぜ。

この頃は設定が固まっていないので今とはかなり異なりシャドルーに顕著。ストゼロから知能が低下したバイソンは根回しのような組織幹部としての仕事が出来る男。ストVでは息子のような弟子と沈みかかったシャドルーに見切りをつける判断が出来ててこの映画のキャラに近付いてる。サガットは辛い。この頃はこんな認識だった気もするが、サガットは食客のようなものでベガの手下じゃないんですよ。これだと帝王(笑)になって実に格好悪い。立場上扱いにくくて最後では存在を忘れられてる悲劇。サガットに限らず本来はバイソンとバルログも意思を尊重されてて、ベガには反旗を翻されたとしても返り討ちに出来る自信があるのが四天王の面白さだと思うので時代と作劇上仕方ないが残念。この映画最大の被害者はHENTAIストーカーキャラが確立されたバルログさん。春麗の入浴中にニュッと侵入してスウェーから顔を近づけるキモさはダメすぎる。「よくも私の美しい顔に傷を…」なんて安いナルシストキャラ台詞まで吐いてくださり雑魚の王道を爆走する。対して既に平常運転のベガ様はブレない。

春麗は当時まだ可愛い系のキャラで実際可愛く描かれているのだけれど、既に現路線に通じる確固たる意志と実力を備えた格好良さが備わっている。これがあるからストリートファイターの女キャラは好き。その辺が欠けてるとあのサービスシーンは悪い印象になってた。リュウとケンが主役であるがこの2人を描くには必ずしも強敵を打ち倒さなくても良いと思うのでシャドルーを倒す物語に合わなくて、クライマックスのドラマチックバトルがそこに至るまでかったるいのもあって盛り上がらない。つーか格闘家なのに2対1って卑怯だよね。まーベガが相手だから別に良いけど。

概ね満足しています。アンディ・フグが監修に名前を連ねているアクションシーンには嘘を感じなくて良い。篠原涼子を世に送り出したのが本作最大の功績で非専業が多いにも関わらず声優の質もなかなか高い。羽賀研二は特に良くてあんな事になったのは残念。実写でもアニメでもどちらでも良いのでまた映像化して欲しい。そろそろゼロ以降のキャラでお願いします。さくらとかダンとかアレックスとかラシードとかジュリとかジュリとかを。ジュリ使いの願望剥き出しですが本当に面白いキャラクターが多いので2以外にもスポットライトを当てる価値はある。それでゲームにもご新規さんが来ればWIN-WIN。