真田ピロシキ

GODZILLA ゴジラの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
3.0
レジェンダリーゴジラをトランスフォーマーと並ぶ映画ですらないCG動画と忌み嫌っているが、少なくともこの1作目は真面目に映画を撮ろうとしていた。前のが別物すぎるエメリッヒでブーイングされてて、ゴジラソムリエ様のご機嫌を損ねていきなりそっぽを向かれたくなく真剣だったのだろう。とりあえずリスペクトとして一応核は盛り込む。日本版でも大体はそんな真剣じゃないと思うが、核から生まれたモンスターをアメリカ人が描くのならここは蔑ろにしていないというポーズは取らないといけないわけで。2作目では既にどーでもよくなったようだがな。もっともその描き方も核実験は本当は海底の怪獣を殺そうとしていたと正当化しててやっぱクソやわ。そーかそーか。福竜丸やマーシャル諸島の人達に同じことを言うがいい。何がモナークだ。ガキ臭い陰謀論者が。

特徴的なのはゴジラの描き方で全体的に画面が暗い上になかなか全貌を見せず巨大さをアピールされる。この未知の生物感がこんな荒唐無稽な怪獣映画にもシリアス味を加える。それと敵怪獣が本作オリジナル。これも自分たちのゴジラシリーズを作ろうとしてると感じられて、昼間のムートーを捉えたカットはギャレス・エドワーズが以前に手がけた怪獣映画の雰囲気を残しており、後のキングギドラや名前も言いたくないアホアホゴリラのようにゴジラオタク相手の有名キャラクタービジネスにはまだ堕していない。

人間ドラマは薄いが、それでも環境のために人類虐殺だーなんて計画に乗りながらコロコロ考えを変える頭のおかしいオバサンや配電盤を水でショートさせただけでメカゴジラを弱体化させるバカガキのように存在しない方がマシなレベルのゴミはいない。もっとも真面目にやったものより後の大友コンテンツの方がウケがいいようで、所詮そんなもん。大人がありがたがるようなものじゃない子供向けサブカル。こんなものやコスプレヒーローやガラクタ巨大ロボットやアニメの氾濫にはもうウンザリだ!