1974年7月25日公開の『フィンガー5と遊ぼう！東映まんがまつり』は
・劇場用オリジナル作品『五人ライダー対キングダーク』
・劇場用オリジナル作品『マジンガーZ対暗黒大将軍』
・劇場用オリジナル作品『フィンガー５の大冒険』
・TV作品のブローアップ版『イナズマンF』（特撮ファンに評価の高い12話「幻影都市デスパー・シティ」）
・TV作品のブローアップ版『ゲッターロボ』（第６話「恐竜！ 東京ジャック作戦」）
・TV作品のブローアップ版『魔女っ子メグちゃん』（荒木伸吾キャラデザイン・作画監督による第１話）
と、今見るとじつにマニアックなプログラムである。とくに仮面ライダーX、マジンガーZ、フィンガー５の劇場版同時上映は子供たちにとってなによりのごちそうであった。
さて今作はTV特撮ドラマ『仮面ライダーX』の劇場版新作である。悪の組織GODの東京中の水を枯らしてしまう「カラカラ作戦」を防ぐために、世界各地から１号、２号、V3、ライダーマンが日本のXの元に駆け付け、新怪人コウモリフランケン率いる再生怪人軍団と戦う、それだけだ。
前作『仮面ライダーV3対デストロン怪人』の四国ロケ、爆発多数に比べると、今作は全て都内だし爆発も減り、予算縮小は感じる。
いや、５人ライダーが勢ぞろいするだけで大興奮ものなのだ。おまけに仮面ライダーたちの去っていくエンティングにかかる曲が『仮面ライダー』の挿入歌「かえってくるライダー」（作詞：滝沢真里 / 作曲・編曲：菊池俊輔 / 歌：子門真人）と言うのが泣かせてくれる。
戦い終えて 朝が来た
空はみずいろ 雲はまっしろ
丘の上から オオ！
来る来る来る サイクロン
紅いスカーフ なびかせて
来る来る来る帰ってくる 仮面ライダー
だが残念なことに、仮面ライダーの劇場版オリジナル作品が帰ってくるのは６年後（1980年春）の『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』であった。1974年当時、すでに東映まんがまつりは第二次怪獣ブームの終焉を悟り、特撮ヒーロー作品よりもロボットアニメのマジンガーシリーズに力を入れていたのだ。翌1975年にゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーなど特撮ヒーロー物が次々と終了したところを見ると、この判断は正しかったのかもしれない。もっと仮面ライダーとマジンガーの劇場版同時上映を観たかったよ！
