ちくしょう、なんだか少し悔しいぞ。
「いい話」過ぎるではないか。
導入、途中のエピソードの積み重ね、そして“素敵”と言い切ってしまっていいほどのラスト・・。
ゆがみや屈折のない寓話。クリスマス~年末に観ると一層ハートに沁みることだろう。それでいていつものウディ・アレン作品に出てくる愚かな人物や間の抜けた展開、神経症的なしゃべりなども(いつもよりいくぶん控えめかもしれないが)きちんと顔をのぞかせる。この作品を良作たらしめ、かつ嫌味のなさを与えているのは、アレンの“登場人物たちのような人々への愛と情”なのだろうなと。
しかし濃いグラサンで髪の毛盛り盛りのヒロインは、前情報なしで観ていたらミア・ファローとはとても思えない。