バリカタ

ベルヴィル・ランデブーのバリカタのレビュー・感想・評価

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)
4.0
ヒューマントラスト渋谷さんでリバイバル上映。ヨーロッパ発のアニメーションは見事な作品が多いので興味津々で鑑賞です。

アニメーションのクオリティは非常に高いですね。味があって色彩豊かな綺麗な絵。滑らかに人物も背景も全ての動きで表現します。ヨーロッパのアニメーションは、、いつも思いますが、、動く絵本みたいですし、アートっぽいんですよね、よいですねぇ。20年前の作品ではあるものの、差別、卑下っぽい表現があるのはフランス産故かな?気になる方はいらっしゃるかもしれませんが、どうか最後までみて欲しいですね。

本作の登場人物(ワンコも含め何もかも)は、いー感じに特徴をデフォルメしてて、全てが愛らしい。悪者ですら。細かい癖をキャラクター作りのように使うあたりいーよなー。

舞台は現代(よりちょっと前なのかな?)ですがストーリーはなかなかのお伽噺テイストです。で、ドタバタブラックコメディだよなぁって思います。とにかく小粋なんですよね。伏線というわけではないですが、うまい具合に各エピソードに繋がりを持たせる仕掛けがふんだんで、音楽、リズムに乗って展開していく様はなんとも心地よいです。そして、ストーリー自体には芯が通っていてまとまってますので、「面白い」のです。さらにセリフが極力排されているのも素晴らしい演出ですね。際立つんです。この記号的な表現が。時にクスッと、時にじんわり、時に哀愁、時にハラハラ。セリフが無い分、絵がたくさん表現してくれます。アニメ・・ではなくアニメーションだなぁって。

で、何はともあれ、おばあちゃんが最強で無敵(笑)ワンコも無敵です。大好きです。
オヤツに釣られて、ある物になっちゃうところなんて・・笑っちゃいますよね。クライマックスもいいですよ!クライマックスに向けての盛り上がりも含めて。クスッとなる大人向けのアニメーションです。

秀作です。