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ONCE ダブリンの街角でのSAtone52484のレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
4.3
大学1年の時に鑑賞し、【ダブリンの街角】に惹かれ、当時留学先を迷っていた私はアイルランドに行きました... と、いう超パーソナルに好きな作品。

登場人物はだれも垢抜けず、正直【なんかちょっとダサい】のだけれど、それが人間らしくリアルで、誰もが共感できる部分がある。



当時のアイルランドは、ヨーロッパ唯一の貧困国から「ケルティックタイガー」と呼ばれる程の経済成長を遂げ、移民を出す国から、受け入れる国へと変化をし始めて10〜15年ぐらい?

主人公演じるグレン・ハザードぐらいの年齢(mid 30s-40s)の人達が過渡期だったんだと思います。

夢を追いかけるか、現実を見るか... けれど外を知らない... みたいなね。

そこでたくましく生きている移民の女性に会って、変わっていく。

ただ彼女には彼女なりの苦悩があって...



登場人物は皆、音楽に【救済】を求めているのが、ジョン・カーニー作品。

死の淵から救ってくれ!という救済ではなく、油断すると埋もれていってしまいそうな繰り返す毎日や、現実からの救済。

最後はこちらまで救われた気分になるのが不思議。

ドラマチックな恋愛もなく、サクセスストーリーでもない。

けれど、ちょっと光が見えて、心の奥底がまえを向ける、そんなお話。
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