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神々の深き欲望のryoのレビュー・感想・評価

神々の深き欲望(1968年製作の映画)
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凄い大作。この作品をこの時代にロケで撮るということは本当に凄いことなのだろうと思う。当時はどうやって撮ったのかというシーンもかなりあった。
これはお金がかかるし、お金もなくなるよなと。。。
明け方?のひいた海辺のシーンや
最後の汽車のシーン等ビビッとくるカットも要所であった。

内容としては、、、
「神」による支配、その支配を超える大自然と喜劇的にもみえる人間の本能。
支配による規範の中で、生きていかざるおえない悲しみを喜劇的な視点も踏まえて感じる。

土着信仰のように見えて、裏側では資本主義や貨幣社会の支配に変わっていく。
一方で、旧来の土着信仰と思っているもの自体も何らかの支配下に置くためのものに変わりはないと感じる。
結局は社会の中で生きていくうえで何らかの「深き欲望を持った神」の支配下に置かれざるおえないという悲しみを思う。

ただし、見えないものや自然というものの存在も捨ててはいけないということも同時に矛盾として思う。

そこまで匂いは強くないが、時代背景的にあり、ベトナム戦争や文革の影響はあるよなと思う。

今村昌平監督作品は初だった。
最後の最後まで真面目すぎるというか、あつすぎる全力すぎる感じが凄いが、時代の差と個人的な好みとしてはもう少し抜いてもらえた方がより現代に生きる自分としてはバチっととくるなと思った。
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