竜平

ジュニアの竜平のレビュー・感想・評価

ジュニア(1994年製作の映画)
3.7
妊娠にまつわる新薬の研究をする婦人科医学の博士がひょんなことから自らその薬の実験台に、やがて巻き起こるまさかの事態、という話。トンデモ設定で贈るドタバタコメディ。

主演アーノルド・シュワルツェネッガー、監督アイヴァン・ライトマン、共演ダニー・デヴィートという『ツインズ』の布陣が再び。ちなみにヒロインはエマ・トンプソン。言ってしまうけども今作は男が「妊娠」するという超ぶっとびストーリー、で例えば今の時代にこんな物語を作ろうもんならなんか生々しかったりゴチャゴチャ入り組んだりのどんよりした内容になってしまいそうな気がするんだけど、今作はというといい意味で安心して見てられる、良き90年代コメディという感じ。シュワちゃん演じる主人公の博士は研究熱心な男ながらわりと堅物で、それ故か独り身でもあり、なんというか一人黙々と人生を過ごしている感じ。やがて実験台となり、ホルモンバランスの影響もあってか徐々に母性や愛情に目覚めていく、この過程が非常に微笑ましい。シュワちゃんの「妊婦」ならぬ「妊夫」演技よ、彼って意外と演技派だと思うんだけどどうだろう。子供の頃はシュワちゃん主演の映画めっちゃ見てたなーなんてふと思い出したりして。

そうそう久しぶりに見て、じつはちょっと深い題材であることに気づく。前述したようにトンデモ系のストーリーなのは間違いないんだけど、妊娠やら子育てやらに関する男女の考え方の違いとか、家事と仕事のこととか歳の問題とか、リアルな話題もあったりするから侮れない。まだ結婚してない子供もいないってな人には、ちょっぴりめずらしい角度からそのことについて考えさせられたりするんじゃないかなと、俺もそんな感じ。あくまでコメディの延長線上でね。どうでもいいけど新薬の名称が字幕だと「ニンシンスール」、漫画みたいな名付け方だねっと。
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