トリアーっぽくない骨太名作路線と思いきやよく観るとしっかりトリアーっぽい身体描写もあるお得な映画。意外と万人に薦められるトリアー映画はこれかもしれない。
1991年の映画なのに敢えてモノクロで撮られているかと思いきやたまにスムーズにカラーになることにちゃんと意図が行き届いてて、やっぱこの人には敵わんなと思う。
オープニングの催眠術のような(この効果、合法?と無駄な心配をしたくなる)強迫的なナレーションと列車の線路の画面でまず惹き込まれ、その後も圧迫的な車両内とたまに外の描写がいずれも開放感がない。『ヨーロッパ』などという壮大なタイトルなのに徹底的に閉塞な画面作りに諧謔的なトリアー節をヒシヒシと感じる。