悪とユニコン

秒速5センチメートルの悪とユニコンのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.8
小学校卒業で離れ離れになった貴樹と明里のもどかしい遠距離恋愛を描いた純愛文学的作品。

すごく綺麗な映画。
一回目観た時終わり方が"あれっ?"だったが、奥が深すぎてもう一回すぐに観たくなり二度目を観賞した。そして味わいを噛み締めた。
葛藤、切なさ、失望、虚無感、手の届かない者への憧憬、未練などの入り混じった複雑な感情・心情変化が痛いくらい伝わってきた。ラストで心の靄が晴れる様子まで克明に心情変化を再現してるとは恐れ入った。アニメなのに観終わった後の余韻がハンパナイ。ここまで心に余韻を残すアニメを観たことが今までにないと思う。
なぜメールや電話しないのかとツッコミたくなる部分は多少ありはするが、そんなこと気にならないくらい素晴らしい出来栄えの作品。
終始暗めでローテンションな作品のため好みがわかれやすいみたいです。

この作品が好きな人に『海が聞こえる』をオススメします。