悪とユニコン

マンチェスター・バイ・ザ・シーの悪とユニコンのレビュー・感想・評価

4.7
ボストンで暮らしていた主人公の身内に不幸があり、地元に戻り、後見人問題解決のために消せない忌まわしい過去と向き合っていく話。シリアスヒューマンドラマ。

本当は凄くいい奴なのに初対面の人に無口で無愛想だったり、やたらと喧嘩ごしだったりする不器用な人間臭さが香ばしい。
故郷との深い隔たり、息が詰まりそうな気まずい人間関係の微妙な距離感がすごくうまく表現されていて、主人公の今にも壊れそうな気持ちが大きな刃となって自分の心に突き刺さった。
重たい話だけど、鑑賞後の後口に不快感はなく、明るい未来への再出発、過去と現在の間の空白の期間に何があったかをあれこれ想像させる深さがあり、後からジワジワきます。

苦難を乗り越えて人生を再出発しようとしている方に特にオススメです。