ハレンチ学園在学生

さすらいのハレンチ学園在学生のネタバレレビュー・内容・結末

さすらい(1957年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

仕事を求め安らぎを求め女を求めてさすらう男(スティーブ・コクラン)。7年同棲して別れた女(アリダ・ヴァリ)を忘れるために元カノのところを訪ねたり、職にも就かず娘を連れ歩くだけでなくガソリンスタンドの女(男はこういう女に弱い。しかし女優の名前がドリアン・グレイというのには驚いた)とできてしまうと娘一人をバスに乗せて故郷に帰らせてしまったりとクズ男ぶりを描くのはネオリアリズモ的と言える。のちの愛の不毛の萌芽を感じさせぬでもないラストの男の塔からの投身自殺は、アリダ・ヴァリに赤ん坊が生まれていたことに悲観したゆえと思われるが、ひょっとして男のはやとちりということはないのか(ないか)。モノクロームの映像が男の凍てつく心を表すかのように透徹しているのがよい。