tanayuki

激動の昭和史 沖縄決戦のtanayukiのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.4
「シンゴジラ」の庵野秀明監督が影響を受けたというのも頷けるテンポのよさと短いシーンのつなぎ合わせ。かといってコラージュのようなつぎはぎ感が希薄なのは、1つのゴール(誰もが結末を知る歴史的事実)に向かわざるを得ない強力な推進力と編集の妙。 「日本のいちばん長い日」と同じく、これだけの情報量を詰め込んでも見るものを混乱させない岡本喜八の手腕は見事。

2、3時間の尺ではどうしても散漫になりがちな群像劇で失敗しないためには、結論があらかじめわかっているくらいでちょうどいいのかもしれない。歴史を描いた作品やパターン化されたシリーズものなら、その要件を満たす。それが有事ならなおのこと。結論を隠して観客が一緒に探っていくタイプの群像劇で成功した作品は激レアといっていいかもしれない。

後半は見ていてただただ苦しい。生きてるほうが地獄。早く死なせてくれ。でも本当は誰だって玉砕なんかしたくない。そんなとこまで追い込んじゃいけない。

△2021/04/24 ネトフリ鑑賞。スコア4.4
tanayuki

tanayuki