沖縄戦を描いた大作だが、岡本喜八らしいスピード感やユーモアがそこかしこにある。重い題材を軽々しく扱ってるわけでもないのに、このテンポで2時間半を押し切るエネルギー。そして止まない爆発音。戦争映画とはいえ、ここまで爆発が続く作品も珍しい。火薬量どうなってんだ。
この沖縄戦で、県民の3人に1人が死んだ。その数は配備された兵隊よりも多い。戦争ファースト、軍人ファーストの思想が、死ぬ理由のない人々の命を簡単に奪っていく。もはや日本兵すら敵に見える始末。防げたはずの悲劇を見るのは非常に辛い。だからこそ観るべき一本。
「あなた帝国軍人でしょ?アメリカと戦う軍人でしょ?どうして壕から壕へ逃げ回るの?どうして私たちを追い出すの?」