akrutm

メッセージ そして、愛が残るのakrutmのレビュー・感想・評価

3.1
死が予知できる謎の医者が突然現れたことにより、自分の運命を知ってしまった辣腕弁護士のその後を描いた、ジル・ブルドス監督の心理サスペンス映画。フランスのベストセラー作家ギヨーム・ミュッソの小説『Et après...(邦題は映画と同じ)』が原作ということでかなり期待していたが、完全に期待外れだった。この小説は読んでいないが、おそらく映画とは描き方が全然違うのだと思う。ロマン・デュリスがもったいない。

全体的に表現が稚拙なので、必要な情報がうまく理解できなかったり、逆にこんな見せ方したら最初からネタバになるような描き方をしている。ラストシーンでどんでん返しがあるのだけれど、冒頭のシーンを普通に考えれば、このことはわかってしまうと思う。鑑賞者をむりやりミスリーディングさせるような医者の奇妙な行動(最初からきちんと話せばいいじゃんと思ってしまう)には閉口。ジョン・マルコヴィッチの重いんだか軽いんだかわからない演技には最後まで違和感が拭えなかった。ネイサンの家族のストーリーの描き方も中途半端で、そこに感情移入することができない。さらに、アンナの話も取ってつけたような感じで、必要だったのだろうか。それよりも、ネイサンと妻・娘とのストーリーをもっと描いたほうがよかったのでは?総じて、出来の悪い2時間ドラマといった感じでした。
akrutm

akrutm