nt708

晩春のnt708のネタバレレビュー・内容・結末

晩春(1949年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに映画を観て感動!映画はやっぱりこうじゃなきゃならない。

戦後まもなく、嫁入り前の娘がほとんどの家事をこなし、いざ結婚となればお見合いが主流だった時代を背景に描いた親子の愛の物語。親孝行をすることが一番の幸せだった娘が父がついた一世一代の嘘でお見合いの末、円満で結婚を迎える。幸せそうな娘と父のどこか寂しそうな表情や仕草がたまらなく切ない。父の台詞にあったように、やはり「幸せは向こうからやってくるのではなく、自分たちで一から作り上げていくもの」なのである。

こういう説教っぽいせりふも間とのバランスで上手く作品に馴染んでいる。間と言えば、作品の最後、父が女中を見送った後の寂しそうな立ち姿にはグッと来てしまった。人が立ち去った後の風景が作る余韻、台詞無くして仕草で語る素晴らしさ、、

あぁ、どれだけ御託を並べたところでこの作品の良さを全て伝えることはできない。百聞は一見に如かず。いかなる映画好きもこの映画を観ないのは損である。
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