カワウソ

ザ・フライのカワウソのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フライ(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

初見です。
クライムオブザフューチャーの予告を見て、この監督の他の作品を観ておきたいと思い観ました。

次の2点が完璧で面白かったです。
1、次のグロを見たいと思わせる流れ作りが上手かった。
2、感情移入(主人公)のバトンタッチがスムーズで見事だった。

1についてまず、兄ヒヒの失敗シーンから間が大好きです。
扉と煙ですぐには見せず、一瞬手だけと言うヒントを与えられ、こちらは中身を想像すると同時に早く答え合わせをしたいと思ってしまいます。

夢オチの使い方も見事でした。
本作は博士とヴェロニカのラブストーリーであり、2人のそれぞれの葛藤が見所だと思います。
そうすると「妊娠」だけでラストに向けての障壁兼加速装置としては十分で、「出産」や「子供」まで本作内で描くには無理があります。話がブレます。
でも何が生まれてくるかはちょっと、いやかなり見たい。そこで夢オチです。
ヴェロニカの不安を描きつつ、観客の見たいも説得力を持って叶える無駄のない理想的な夢オチでした。

2は中盤、博士が明らかに嫌悪感を抱く程の見た目になったにも関わらず、ヴェロニカが抱きしめた所です。
それまでは博士の研究に乗っかって特ダネを上げようとする自己中記者かと思っていましたが、あれでヴェロニカの評価がひっくり返りました。

また、前半でしっかり編集長のイメージを下げておいたのも良かったです。
物語を安定的に不安定に保っていました。

映画の面白さとは直接関係ありませんが、ポケモン、スパイダーマン、バイオハザード、ジュラシックパーク等々、好きな作品の元ネタや要素がいっぱいっで勝手にテンション上がりました。
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