ゴリアテの憂鬱

ザ・プレイヤーのゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)
4.1
当時のハリウッド映画の内情を痛烈に風刺した作品。

冒頭の8分間の長回しは、欽ちゃんの仮装大賞を観てる時のような(若干寸劇チックに思えてしまう)アイデアとユーモア性で、楽しみながらも手に汗握って観ていました。
まあ、ぶっつけ本番じゃないんですけどね。
ちなみにアルトマン監督は、この冒頭のシーンを15回撮ったうちの10回目のものを使用したらしいです。

前半はサスペンス映画を匂わせておいて、当時の中身のないハリウッド大作をコテンパンに皮肉り、ラストは気品漂う御曹司の食事後のお皿のように綺麗に伏線を回収して迎えるフィナーレは、見事なまでの悪の勝利でした。

劇中劇で登場したブルース・ウィルスとジュリア・ロバーツは、自身を皮肉るような役をよく引き受けたなと思いました。
当時のハリウッドの売れっ子俳優にも、色々と思うところがあったのかも知れません。