KnightsofOdessa

武器庫のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

武器庫(1929年製作の映画)
3.0
[雪上の決戦がカッコ良すぎる、ドヴジェンコの戦争三部作②] 60点

限りない絶望感の漂う30分、団結を謳う超つまんない演説が続く30分、実際の激突30分で構成されるドヴジェンコ監督二作目。1918年のキエフ一月蜂起を題材としていて、二月革命成功後ソビエトと距離を置くことにしたウクライナ政府に対し、ソビエトが軍を送り労働者を蜂起させたという筋はあるはずなのだが、実際にフォローするのは厳しい部分も多い。静と動、光と影の対比が鮮やかで好ましいが、話の内容は圧縮すれば10分位で終わる、所謂エイゼンシュテイン的映画。

一番有名なのは笑気ガスで発狂するシーンなんだろうけど、「ズヴェニゴーラ」に続く"絵画との連続性"として人物を止めたり画面を斜めに使って縦方向の長さを強調したり中々クレイジーな画面構造をしていることも多く楽しめた。列車事故のシーンでのアコーディオンが吹っ飛ぶシーンは、あんなにカッコいい使い方は後にも先にもないだろうってくらい好き。

字幕やモンタージュの使い方がクレショフ工房感が出てきたと思ったけど、まだ後半は字幕量多かったな。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa