こなつ

遠い空の向こうにのこなつのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.2
実話で感動もののヒューマンドラマは、とても好きなジャンルでいつもアンテナを張っているが、この評判の良い作品を観る機会が今までなかった。

ソ連の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられたのが1957年10月4日。この作品は、その打ち上げに触発された田舎の高校生が、ロケット作りに夢中になる話。
元NASAのエンジニアだった彼が自分の高校生時代を書いた小説「October Sky」の映画化。1998年に小説が発表されその翌年1999年に映画作品になり、瞬く間に話題作となった。

王道の青春感動ストーリーだが、父親との確執、恩師との絆など見所が沢山あり、人物描写など丁寧に描かれていて最後まで惹き込まれ胸が熱くなった。

時代は、1950年代の米ソ冷静時代のアメリカ。舞台は、ウェストバージニア州コールウッドという田舎町。炭鉱夫の息子は炭鉱夫になるのが常識の時代に、ソ連の人工衛星打ち上げに触発されたホーマー・ヒッカムが宇宙に魅入られ、友人達と「ロケットボーイ」を結成し、ロケット制作に夢中になる。

頑固で仕事一徹の炭鉱夫の父(クリス・クーパー)は、ロケットに夢中の息子を理解出来なかった。息子を大切に思う気持ちがあるのに上手く伝えられない。生徒達に寄り添う温かな教師をローラ・ダーンが演じている。クリス・クーパーもローラ・ダーンも「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」に揃って出演していたが、20年以上前のこの作品では本当に若い。

自分がやりたい事を見つけ、夢に向かって奮闘する若者の姿はいつ観ても頼もしい。
評判通りの素敵な作品だった。
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